『明治東京名所図会』,東京堂出版,1992

[街][近代][本]
ふと検索してみたところ都内のいくつかの図書館は面白げな本を所蔵しているみたいなので、やる気があるうちに見に行くことにした。


『明治東京名所図会』は明治時代に出版された名所図会のち、『新撰東京名所図会』を中心に下記の6点を上下2巻に分けて収録した本。

  • 『新撰東京名所図会』(明治29-44)
    • 東京15区を紹介。
  • 『東京近郊名所図会』(明治43-44)
    • 現東京23区の端っこあたりを紹介。
  • 『鎌倉 江の島名所図会』(明治30)
  • 『江島 鵠沼 逗子 金沢名所図会』(明治31)
  • 『横浜名所図会』(明治35)
  • 『小金井名所図会』(明治39)

B4版に4ページずつ掲載されており、街や名所の詳細な紹介文に挿絵がちょこちょこあるという体裁。絵は全て単色刷り(原本では多色刷りだったものも白黒で収録。ただし口絵はカラーのままで3点ずつ計6点)。写真も少しだけ載っているが、写りはかなり悪い。
自分はこの時代のことなどほとんど何も知らないものだから、挿絵を見てまず明治時代の東京ののどかさに驚いてしまった。江戸時代と説明されても何も不思議に思わないだろう。たまに描かれている鉄道や外套口髭シルクハット紳士を見つけてようやく、明治以後の風景だとわかる。