6月22日に書いたこと+

このSSではかがみはガチレズだ。なにも本作に限らず、かがみがそのように描かれる作品は多く存在しているのだけれど、本来、僕はそういった作品は苦手。なぜなら、そこでは同性愛は百合と称して極めてカジュアルに消費されており、当事者がもつ悩みなど描かれることはなく平気で告白をしてキスをして、それをキャッキャ楽しむのがスタンダードだから。それらに紛れてかがみあるいはこなたが想いに悩むシーンが描かれた作品も一応ありはするものの、そのほとんどには、葛藤の描写が全く足りていないから。数十行に収まるような葛藤で、友人からのほんの二言三言で、解決するような悩みだとは僕は思えないから。
カジュアルからシリアスを目指したはいいが到達しきれないまま世に送り出された、率直に言って出来損ないであるかのような作品にあふれている。そして僕自身も、その程度の妄想しかできないことをひどく残念に思っている。だからこそ、その葛藤を過不足なく書き切るであろうことを予感させる彼の圧倒的な筆力を初めて目の当たりにしたとき僕は思わず身体を震わせたのだし、ほとんど神のお告げに対してするかのような態度でその続きを待ち焦がれるようになったんだ。