フィギュアのジャンプとモーグルのエア

12日から14日に韓国で開かれたフィギュアスケートグランプリファイナルにて、見事優勝を手にした浅田真央ショートプログラムキム・ヨナが僅かにリードしたものの、フリーで彼女が二度転倒したこともあり、一度の転倒で済んだ浅田が逆転したらしかった。ここで自分が大変興味を惹かれたのは、テレビ等で盛んに喧伝された浅田の「二度のトリプルアクセル」が彼女の優勝を決定付けたわけではないということだった。実際、今朝のワイドショーでフリーの採点の詳細が解説されていたが、それによれば、浅田真央トリプルアクセルよりキム・ヨナのトリプルトーループの方が高い点数が付けられたと言う。
つまり、フィギュアスケートでもモーグルと同じことが起きているらしい。浅田真央トリプルアクセルよりキム・ヨナのトリプルトーループが評価されたのは、上村愛子コークスクリュー720よりジェニファー・ハイルのバックフリップが評価されたこととまったく同じ理由だろう。難しいジャンプ/エアに危なっかしく挑むよりも、易しいジャンプ/エアを確実に、美しく決めたほうがいい。音楽との調和までもが要求されるフィギュアスケートにおいては、なお一層それが重視されるのではないかと思う。