こなたたちの未来

2008年7月10日売りのコンプティークに掲載された「らき☆すた」にてこなたたちは高校を卒業したわけだが、5ヶ月経った今になっても美水かがみは一向に彼女たちの新生活を描く気配を見せない。アニメが放送されている間はこなたたちを高校生に留めておこうと時間の流れを遅くしたとは原作者本人が明かしたことであったが、これが事実であれば、高校を卒業したあとすぐ大学生活なりなんなりに移行してもおかしくないはず。ところが現実にはそのように事が進んでいないため、現在今後のらき☆すたの展開を巡って様々な憶測が飛び交わされている。美水は大学へ通ったことがないのだからキャンパスライフを描けるはずがないという意見もあれば、行かなくたってそれくらい描ける・そもそもリアルな描写は必要ないといった反論もある。
当初この件に関しては、単に原作者の天邪鬼っぷりが遺憾なくはっきりされているだけだとばかり考えていたが、昨日ふと別の解釈が頭をよぎった。美水センセは、こなたたちも我々と同じ時の流れの中を我々と同じように過ごすんだ、ループに閉じ込めるものか、という「信念」どころか、彼女たちは未来へ向かって歩んで当然だという「確信」さえ抱いていて、だからこそ具体的な未来像を持っていないのではないか。この場合原因は、彼の想像力の欠如などでは決してなく、自らの筆一本で彼女たちの運命をどうとでもいじれること、自分が定めた将来を彼女たちに押し付けることに対する抵抗感であると考えられる。自らの生み出したキャラクターを愛するが故に、彼/彼女たちが作者自信の手から離れてしまうという現象は普通にあり得る気がする。らき☆すたのようなキャラクターありきの漫画では特に。