大学を卒業した

卒業式、学位記伝達式に出席し、とうとう大学を卒業した。
僕の送った大学生活なんてのはまあ悲惨な方に分類されると思うが、大学生という身分で過ごしたこの4年間自体は、個人的には楽しい時間だった。少なくとも、楽しかったと言えるように歪んだ努力をしてきた。普通の人が普通にするような幸せな生活は自分には送れないだろうと完全に気付いたのは3年の頃だったが、それよりも早い1年か2年の段階で、僕は既に「体験」を最重視する価値観を持つようになっていた。お前らが「あまり」しないような体験を俺はしてやるんだという屈折した熱意に燃えた4年間だった。あくまでも「あまり」で「絶対に」じゃないところが僕の情けないところだがそれは仕方がない。最初「燃えた」が「萌えた」と変換された件についても情けない。一人旅行も一人散歩も一人○○も結局はこの邪な熱に突き動かされていたと言っても過言ではない。一人で渋谷ゆきだるまに行って一人でジンギスカンをつついたこともあったし、一人で東京タワーの特別展望台に昇って一人で望遠鏡を覗いたこともあった。浜松に苺ましまろ聖地巡礼しに行ったし、田村ゆかりのコンサートにも行ったし、偕楽園で梅見したし、猪苗代へモーグルのワールドカップ観戦しに行ったし、天橋立にも行ったし、宮島も行ったし、尾道と福山にかみちゅ聖地巡礼しに行ったし、草木が枯れて殺風景な後楽園も見たし、姫路城にも登ったし、ニコニコで東方にはまって例大祭にも行ったし、3ヶ月遅れでらき☆すた好きになってコミケで手当たり次第に本を買って反省するお仕事もしたし、東京から北海道まで鉄道で往復して釧路湿原やら知床半島やらに行ったし、らき☆すた聖地巡礼のため鷲宮幸手・春日部を訪れて地元商店街でお買い物したら美水かがみの色紙が当たったし、松本城にも行ったし、伊勢神宮にお参りもしたし、鳥取砂丘とか松江城とか出雲大社とか津和野とか萩とか秋吉台にも行ったし、親の援助もあって憧れのヴェネチアにもローマにも行けてしまった。まあこれらのことは別にぼっちじゃなくてもできるでしょって話だけど、というか思い返しているうちにどうでもよくなってきたな。これだけ自分のしたいことを自由にできた4年間が幸せじゃなかったらなんなんだろう。本当に楽しかった。