Realforce買った


最初はメカニカルキーボードを買うつもりだった。
カニカルキーボードの存在を初めて知ったのは僕がまだ中学生の頃、月刊アスキー週刊アスキーでだったと思うが、高級キーボードの代名詞として紹介する記事を読んだときのこと。高校に進学後月1で秋葉原へ通うようになってから店頭で初めてその実物に手を触れ、これがかの有名なメカニカルキーボードかと、その心地よい打鍵感には感心したものだった。しかし当時は、打鍵感こそ魅力的だがまさかキーボードに1万円も出せるはずがないと一蹴し、しばらくその存在をすっかり忘れたままでいることになる。
転機が訪れたのは先月、それまで自宅で使用していた無線マウスを会社用に切り替え、自宅の環境を不本意ながらも有線マウスと有線キーボードに戻したときのことであった。有線環境に戻さざるを得なくなったのは全くの不可抗力であったが、そのおかげで気が付いた。有線マウスは確かに使用に耐えるものではないが、有線キーボードは特別不便でもないということを。加えて先日新たな無線マウスをキーボードと別に購入できたことで、いよいよ心に一つの野望が芽生え始めたのである。マウスを新しくしたのだから、キーボードも新しいものを買おう。それも、かつて憧れた、あのメカニカルキーボードを!
こうして理想のキーボード探しが始まったのだった。が……店頭で散々試し打ちを繰り返してわかったことは、少なくとも現在販売されているメカニカルキーボードの中には自分の好みに合致するような製品は一つも存在しないという事実だった。カチカチと大きなクリック音の響くタイプは好きになれなかったためチェリー青軸・ALPS簡易軸が候補から外れ、キータッチが重いという理由で黒軸が外れ、仕方なしに茶軸か赤軸搭載のキーボードに的を絞ったところ

  • FILCOジェスタッチ FKB108M/JB
  • Metadot das keyboard(dask3pro-jp)
  • チェリー MX-BOARD G80-3600LXCJA
  • チェリー MX-BOARD G80-3600LYCJA

以上の4機種しか残らなかったのだが、これらのキーボード達もどうも一長一短なのだ。スリムなデザインが好印象のマジェスタッチやdas keyboardは打鍵音がカシャカシャと軽くいまひとつ好きになれず、逆にスコスコと落ち着いた打鍵感が魅力のチェリー純正キーボードはそのあまりに無骨かつ巨大な図体から部屋の小さな机の上に置くには躊躇いを感じてしまう。
その一方でにわかに興味を惹いてきたのが、多くのキーボード売り場でメカニカルの隣に鎮座していた東プレRealforceシリーズだった。静電容量無接点方式なるメカニカルスイッチとは異なる機構を持つキーボードでしかも価格が高いとあって当初は眼中に無く、初めて試し打ちしたときだって打鍵音がおとなしすぎていまいちなどと感じたものである。しかし!その後1週間、メカニカルキーボードを物色する合間に何度も試し打ちを繰り返すうち次第にその打鍵感に魅了され始め、仕舞いにはとうとう2万円出しても惜しくないと思える程に想いが加速し、このたびの購入に繋がったのである。僅か5日でここまで夢中にさせられるようなキーボードがまさか存在しようとは、これまでの自分には想像もできないことであった。


東プレ PJ0800 REALFORCE106UB

東プレ PJ0800 REALFORCE106UB