都営地下鉄浅草線途中下車の旅

秋のワンデーパスと称する都営地下鉄フリーきっぷが500円ということなので、今日は浅草線で出かけることにした。

西馬込


まずは南端の西馬込下車。池上本門寺へ向かう。
向かうと簡単に書いたはいいが、西馬込から池上本門寺への道は少々わかりづらく、準備も不十分であったから案の定迷いかけた。幸い途中で「本門寺公園」という場所への案内看板を見つけたので矢印の指す方向へ歩いて行くとどうにかそれらしきところへ到着。公園のグラウンドから坂道を登って本門寺の裏手へ出て、五重塔の脇を通り過ぎると本堂が目の前に現れた。

さすがに立派な建物。戦災に遭ったため、敷地内の建物はほとんど戦後再建されたものらしい。

境内へ上がる石段。約500年前に作られたものとは言え区の文化財に登録されていると聞くとなんだか滑稽なように思われた。でも今日あるいは未来に文化財としての扱いを受けるものなんて、案外どれもこんな性質なのかもしれないなとか考えたりした。竪穴式住居跡や石器の欠片だって、当時の人間にしてみればひとつも珍しくなかったわけだし。

第二京浜に沿って歩いて西馬込駅へ戻った。都営浅草線は五反田あたりまでずっとこの道路の下を走っている。

馬込


続いて馬込。

西馬込方の出口はちょうど第二京浜と環七が交わる交差点の真下にあたるため周辺の交通量は多いが、あとはただ住宅が広がるばかりらしかったので、醤道というラーメン屋で昼食を取るとすぐ駅へ戻ってしまった。

泉岳寺方も似たような感じ。私企業ではない自治体が主導となって鉄道敷設を計画するのであれば、時にそれはスプロール化の果てに出現した鉄道空白地帯の住宅地に対する救済という意味合いを強く持つようになるってことなのかな。このあたりの歴史は知らないけど。

中延


次は中延。

泉岳寺方の出口を出ると高架化された東急大井町線中延駅が間近に見え、両駅の前を通る道路に沿って商店街が細々と続く・・・と思っていると、今度は右手にもう少し賑やかなアーケード商店街が現れた。

で、これが結構長い。しかも先へ進むにつれて歩行者が増えてくる。駅から離れてるのに人が増えるとか変だろ・・・おかしい・・・おかしいよ!などと疑念が爆発しそうになったところで東急池上線荏原中延駅がお出迎え。中延駅荏原中延駅の間に形成された商店街ってわけね。活気溢れるとは言いがたいが、いかにも私鉄沿線らしい、地域に根ざした商店街って感じ。

一本脇はやはり第二京浜

戸越


最後に戸越。

ここで注目すべきは何と言ってもかの有名な戸越銀座。東急池上線戸越銀座駅もすぐ近くにあって、それなりに歩行者も多い。が・・・正直なところ期待したほどの賑わいはなかった。せいぜい三階建ての低い建物が並んでいるから?単に人が少ないから?中延でも同じこと考えたわけだけど。阿佐ヶ谷のパールセンターとか、八王子のユーロードとか、川越のクレアモールとか、小田原の東通りとかでは、こんなこと感じなかったんだがなー。なんでしょうね、この商店数だけでは決して測れない街の活気ってやつは。
まあ変に期待しすぎただけなんで、悪く言うつもりはないんだけど。なお、この商店街は第二京浜に分断されているわけだが、意外なことに戸越銀座駅のある西側よりも東側の方が長かった。



また、戸越銀座から少々歩いて星薬科大学の本館を見に行った。屋根の巨大なドームと玄関の壁面の彫刻が目を引くものの、それ以外は・・・モダズニムと呼ぶのか知らないけど、凹凸こそあるものの装飾は一切ない地味な外観で拍子抜けした。国内で1920年代ならまだまだ様式建築が盛んだったろうと思い込んでいたから。F・L・ライトに師事したレーモンドだからこそ?何にせよ自分はこてこての様式建築の方が好きだからこれはちょっとな。