漫画にあるもの

ここ2年くらいで漫画というものをめっきり読まなくなった。単なる好みの変化と言えばそれまでだが、漫画がいまいち面白く感じなくなったのには何かしら原因がありそうなので考えてみると、一つには、漫画には良い意味での平坦さがないということが挙げられるかなーと思った。多くの漫画は一週間とか一ヶ月毎に雑誌に20ページ前後載ることを繰り返して物語が進行していくわけだけど、編集者の意向か、はたまた作者自身の物語作成の方法論か知らないが、大抵この20ページの中には起承転結の構造が含まれている。大枠のストーリーの中に小さな起承転結がいくつも入り込んでいる。この起伏の激しさが気に食わなくなったみたい。小説の場合、物語の核心に迫るようなシーンは力強く、それほど強調する必要のないシーンはあくまで淡々と、作品全体の話の流れが第一に優先され、連載一話一話の構造にはあまりこだわっていないように見える。こういう作品であれば、漫画でも読みたくなるかも。